神田のリディアンに出演します。
ボーカルの益子麻奈さんとのデュオです。
というか、麻奈さんが誘ってくれました。
一年半前に初出演して以来です。
先日、麻奈さんと代々木のナルでご一緒した時、最初のステージでまず二曲ギターの田辺充邦さんと二人で演奏し、そして麻奈さんを迎えました。
するとマイクを持って話し始めた麻奈さんが突然泣き出しました。
「愛さんのピアノに感動してしまって、、、
ごめんなさい、こんな風に泣いちゃいけないんですけど、、、」
と、、、、
「へっ?」
私のピアノ?どれの?どこの?なんで?
とにかく、?マークだらけになってしまった私。
そっと涙を拭く麻奈さんの横顔を見ながら、まるでずっと憧れていた高嶺の花の女の子を泣かせてしまった不器用な恋愛経験なしの男子高校生のように慌てふためいた私は、どうしていいか分からず、
「わかった!じゃ結婚しよう!」
と、これまたセンスのない冗談を言ってしまい、
「いや、そうじゃなくて」
と返してくれてありがとう、麻奈ちゃん!
麻奈さんは、とても感受性が豊かなのだと思います。
何度か音楽をご一緒しているのでわかります。
私のピアノを好きだと言ってくれて、本当に嬉しい。
しかし一方で、私は自分のピアノを褒められると、いつもどうして良いかわかりません。
それは私が、清く美しい謙虚な心の持ち主だから。
じゃなくて、
生まれてから長い間、褒められるどころかずっとダメだダメだと言われてピアノを弾いてきたからです。
私が育った時代はエリートを目指せ!が全ての日本人の合言葉のように、高学歴高収入ついでに高身長とか、、とにかく皆高みを目指して、まっしぐらでした。
子供達は追いつけ追い越せと日々大人達から言われ、私はそれに反抗し、というか落ちこぼれたクチです。
一度はピアノなんか大嫌いになった私が、結局ピアノを弾くしか脳がなくて、今も私ってダメだなぁとか思いながら日々を過ごしいるので褒められる事に慣れていません。
たまに褒められるとお世辞に違いないとか、あの曲が良かった!とか言われると、じゃそれ以外の曲はダメだったんだ、とか思ってしまう。
情け無いけど。
でも、麻奈さんの涙が本当に綺麗だったので、あの言葉は嘘ではないと思う。
一応今の私はピアノを弾いている時はとても幸せだと感じていることには自信が持てます。
リディアンのピアノは素晴らしいコンディションです。
天井が高くまるでコンサートホールのようです。
麻奈さんの選ぶ素敵な曲達を麻奈さんとじっくり演奏できる事を楽しみにしています。
くだらないジョークは言わない。
たぶん。