なんとか動画が仕上って、なんとか私のスマホから東京都に送り、いつアップロードされるのだろうとワクワクしながら毎日を過ごしておりました。
長い長い一週間が過ぎた頃、東京都からメールが。
「動画を確認しましたが、二曲目のメドレーについてはアップロードしても問題ないですか?」
「?」
どういうこと?
最初のデコさんからの沢山の質問状の中に著作権については?とあったので、きちんと調べました。
「上を向いて歩こう」も「見上げてごらん夜の星を」も著作権協会にYouTubeからきちんと包括的に著作権料が支払われているということ。
何か問題でも?
でも何かあってはいけないともう一度、著作権について必死にあちこち調べてみるとある一つのサイトに、編曲した場合、管理者に許諾が必要なことがあると小さく書いてあり、、、
小さいよ!
まるで通販の「個人的な感想です」くらい小さいよ。
っていうか、東京都、知ってるなら企画書提出した時に言ってよ!
でも知っている人からしたら、そんなこと当然!なんだろうし、知らない私が馬鹿だった。
怒ったり落ち込んだりしたものの、とにかくなんとかしなければ、と今度はその二曲の管理者をまた必死に調べました。
そしてその二社に電話すると、一社は担当者にその旨メールで送って下さいとアドレスを教えられて速攻でメールを送り、もう一社は折り返しますのでと言われて電話番号を伝えました。
ほどなく、社長直々に電話をいただき長電話をすることに。
要約すると、社長は東京都のプロジェクト自体に疑問を感じるということでした。
本当に芸術を、アーティストを助けていることになっているのか?
うわべだけのコマーシャルになっているのではないか?
確かにその頃、東京都のプロジェクトについては賛否両論ありました。
社長の意見も、一つの意見としては理解できます。
でも、私はもちろん報酬の10万円も欲しいけれど、大好きな曲を大好きな人達と私達のやり方で演奏してそれを出来るだけ沢山の人に聞いて欲しいのだ。
個人的にYouTubeにあげるより東京都のサイトからあがった方がより沢山の人達に聞いてもらえるのではないかという思いからであり、そして曲に対してはリスペクトしているつもりだ。
ということを懸命に話しました。
社長はYouTubeにアップする事は問題ないと了解して下さいました。
うーん、東京都もYouTubeではあるのですが、、
でも東京都のサイトからアップされるのは許可できないと。
他の人も全て断ってるから、あなただけ良いと言うわけにもいかないと。
でも、動画を見てみたいから送って下さいと言って下さいました。
電話を切ってその場にへたり込むと、メールが入っています。
見ると最初の一社からでした。
「ジャズにアレンジされたんですね。どうぞ、そのままお話進めてくださって大丈夫ですよ!」
とてもフレンドリーなメール。
、、、なんとも複雑。
とりあえず、みんなに泣きながらLINEして。
ほら見なさいと叱られることも覚悟だったのに、誰一人としてそんなことを言う人はいなくて、
「そこまでは、なかなか気がつかないよ」
「社長が動画見てみたいと言ってくれるまで、よく話したね」
と、なぐさめてくれて、その時は本当に涙が出ました。
その夜には動画を送って、次の朝には社長から返信がありました。
社長は心苦しいと言ってくださったものの信念はかたく、その動画を見て気が変わるというようなTVドラマのようなことにはなりませんでした。
ついでと言ってはなんですが、OKしてくださった会社の担当者にも動画を送り、その後も社長とも担当者の方ともメールのやり取りをして、本当に貴重というか自分でも信じられないような体験をしました。
しか〜し!
そこで、あきらめる者は誰一人おりませんでした。
「アートにエールを!だけでもアップロードしてもらおうよ」
「そうだよ!アートにエールを!プロジェクトなんだもの!」
「いい曲だよ!」
「みんな!ありがとう!なんとか頑張って東京都に頼んでみるよ!」
その時は本当にTVの青春ドラマのようでした(笑)
「愛さん、一升瓶でも持って社長の家まで行って説得してきてよ!」
とは、めぐちゃん。
おいおい違うだろ!?