結局、完全形での動画を提出することは諦めざるを得ないこととなりました。
アートにエールを!という曲は東京都のプロジェクトから生まれた曲です。
それはやっぱり東京都のサイトにアップされたい!
なんとか一曲だけでのアップロードを、と東京都にお願いしました。
「えー、どうしようかなぁ、今忙しいんだよねえ。役所ってさぁ、結構いろんな事しなきゃならないし〜」
「そこをなんとか!すごく頑張ったんだよ。だからお願い!」
「それにさぁ、ギガファイルで送れって言ったよねぇ。」
「えっ?だって電話した時に、メールに添付してって言われたよ。」
「あっ、それ俺じゃないし。じゃいいわけ?」
「ごめん、ごめんなさい。わかった、急いで送るから、ね。」
と、東京都とのやり取りは、女の方が惚れちゃってるカップル風にいうとこんな感じですが、実際、最後にまた一山も二山もありました。
最終的には彼の部屋に押しかける彼女よろしく、私が都庁まで出向く勢いになりました。
結局は行かなくてすみましたが、改めて自分の無力を思い知らされ、またも泣きそうになりました。
正に、皆んなの力でアップロードに漕ぎ着けたのです。
待って待って、アップロードされたものは、めぐちゃんがまた頑張って編集し直してくれたものですが、サムネイルは最初に苦労して作って送ったものではなく、デコさんいうところの間抜けた感じのものでしたし、新しい動画と共に私が書き直して送った動画説明文は忘れられ最初に提出したものなので、実際の動画と比べるとトンチンカンなものになってしまっておりました。
またも全員参加の長い会議で、
いろいろ直して欲しいけど、東京都忙しそうだしこれ以上いろいろお願いして、
「えーっ、それなら全部無しにしちゃうよ。」
と言われたら嫌だよね。
要約するとそういう結論になり、おとなしくしていることにしました。
ですからアップロード後、すぐに胸を張って宣伝も出来ず、完全形をYouTubeにアップできる見通しが立ってからのお知らせとなりました。
本当に本当に苦労の末の作品でしたが、今では自分達で探すのも難しいほど沢山の動画の中に埋もれてしまい、なんだかなぁという気もします。
でもでも、今回の一連の出来事は本当に貴重な体験となりました。
これまでもいろいろと行動を共にしたことのある仲間ではありますが、こんなにまで深く話し合うようなことはなかったですし、それぞれが音楽について生き方について、どんなことを考えているかを知ることにもなりました。
そして奇しくも、自分達の音楽、音を何度も何度も聞く事になり、皆んなそれぞれにその音やメロディーに励まされたり、いろいろな想いを馳せることとなったのです。
今のような状況の世の中で、沢山の人達が今まで考えなかったことを考えることになっているのではないでしょうか?
涙が出てしまうことも多いと思います。
何十年も、いえ、そのもっと前から、人は辛くて苦しくて孤独な時、空を見上げて幸せを祈り、手を取りあって、変化を受け入れて新しいことを考えて生きてきたのだろうと思うのです。
私達の大好きな歌のように。
ありがとう!